映画公開中に間に合わず、DVDを購入しましたー。
リチャード・カーティス最後の監督作「アバウト・タイム」です。
「
ラブアクチュアリー」から12年、珠玉の映画が誕生しました。
日本での売りはSF恋愛映画ということになっていますが
この映画の売りは「SF」でも「恋愛」でもないと思います。
お話はイギリス南西部のコーンウォールに住む21歳の青年ティムが
21歳の誕生日に父親から一族の男子に伝わるある「力」について
打ち明けられるところから始まります。
その力は「タイムスリップ」
暗い所で両手をぎゅっと握りしめ、戻りたい過去を思い浮かべると
その過去に戻れるというもの。
しかし、自分の過去にしか戻れず、他人の過去はできない。
ティムは父の言葉を笑って否定しますが、父に言われたとおりに
やってみると、さてはて、過去にタイムスリップします。
それ以降、ティムは力の魅力に取りつかれ、過去に戻っては
自分の行いをやり直し、何度も未来を変えていくことになります。
いつでも自分の過去に戻ってやり直しができる。
それはとても便利で、何度失敗しても成功したり満足するまで
やり直しできる、ということで、ティムは自分の妹の友達の
シャーロットに夏の間何度もアタックし続けたり(正確には
同じシーンを何度もやり直す)、告白のタイミングをずらしたり
試行錯誤。
でも、結局恋は実らずに終わった。
ロンドンに移り住み、偶然出会ったメアリー。
彼女とは暗闇レストランで顔も見ずに話しをして意気投合。
明るい場所で彼女を見れば、なんともキュートな女の子だった。
すぐに恋に落ち、連絡先を交わします。
しかし、下宿先の父の悪友の脚本家ハリーの舞台が散々なもの
だったと聞いて、過去に戻り、メアリーと談笑していたその
時間を今度はハリーの舞台の成功のために使ってしまう。
すると、現代に戻ってきてメアリーの連絡先が消えていることに
気づく。ティムが過去に戻ってしまったせいで、彼女との
出会いがなかったことになってしまったのです。
そこからティムは悪戦苦闘してメアリーとなんとか出会う努力を
始めます。やがて彼らは愛し合うようになり、夫婦になり
子供をもうけ、時がすぎていくのですが、彼の家族に様々な
不幸がやってきて、タイムトラベルの力でなんとかしようと
彼は様々なことを試します。
でも、思ったような未来にはならず、決定的なことが変わって
しまうことが発覚し、タイムトラベルが万能ではないことを
悟るのです。
この映画の主題は「幸せになるにはどうしたらいいのか」だそう。
それを「タイムトラベル」という形で時を遡って人生をやり直す
主人公を通して、問うています。
最悪な一日も、視点を変えれば幸せな一日にできる。
過ぎていく日常を幸せに過ごすのは自分次第なのだと
教えてくれる作品です。
やり直すのは簡単だけど、物の見方を変えるのは自分。
ティムがそれを学んでいく過程で、私も勉強させられました。
この映画で特によいのは、ティムとその父のやりとりです。
ティムは父から力を教わった時から、どんどん父との距離が
狭まり、秘密を共有する者同士、独特の会話のやり取りをし
まるで友のように接します。
時を遡って様々な父に会うティムは、その時々の父と
抱えている問題の相談をしたり、笑いあったりするのです。
しかし、タイムトラベルを使っても父とは会えなくなる時が
やってきます。最後の親子のやり取りには涙を流さざるをえません。
この映画は、恋愛映画でもSF映画でもないです。
人生をどう生きていくか、どうしたら幸せになれるのか
一つの答えを示してくれる映画です。
リチャード・カーティスらしい映画で、私のお気に入りの1作となりました。
最後に俳優陣。
主人公のティムを演じるドーナル・グリーソンは
「
ハリーポッター死の秘宝」でロンの兄ビル・ウィーズリーを
演じている若手俳優。ファニーフェイスで、愛嬌があって
英国ボーイにぴったり。
マーティン・フリーマンにどこか似てるなあと思って
見ていたのですが、まさかロンの兄ちゃんをやっていたとは
気づきませんでした。(ハリポタファンなのに)
スターウォーズEpisode7にも出るそうです。
さっそく出世街道まっしぐら中。
主人公の父を演じるのが、リチャード・カーティスの映画に
欠かせない、監督の親友でもあるビル・ナイ。
ちなみにビル・ナイも「
ハリーポッター死の秘宝」で
ルーファス・スクリムジョールで出演してます。(PART1の方)
この映画は、ビル・ナイがいないと正直、成立しません。
この人が父役で本当に良かった。
リチャード・カーティスは、ビル・ナイと浜辺をのんびり散歩
しようと約束したそうです。
そしてヒロイン・メアリーはレイチェル・マクダムス。
シャーロックホームズシリーズのアイリーンや、きみに読む物語
のヒロインを演じています。
ミーンガールズの女王様役をやってたそうなんですが
記憶にない…(汗)
レイチェルのキュートな笑顔はこの映画の華でした。
シャーロットみたいな完璧な美人じゃなくて、画面を見てると
落ち着くというか、なんて可愛い人なんだろうと思わせてくれる
存在感が素晴らしかったです。
ハリー役のトム・ホランダーは「
プライドと偏見」の
コリンズさんだったそうです…。こちらも気づきませんでした。
あんだけコリンズさんについて書いたのに…(笑)
JUGEMテーマ:
映画