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評価:
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バップ
¥ 11,908
(2011-03-18)
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えー大奥の感想が途中なのですが、最近大注目している
「泣くな、はらちゃん」について感想を書きたいと思います。
紹介している作品がQ10なのは理由がありまして、この「泣くな、はらちゃん」と
Q10、実は同じプロデューサーが作っています。
登場人物も、どこかQ10と似ている人たちが多いですし
キャストかぶりもたくさんあります。
何より設定が、世界観が同じ、ということで是非見比べて頂きたい作品なのです。
Q10の視聴率はイマイチだったのですが、近年で最も好きな作品と
言っても過言ではないドラマでした。
SPECかQ10か…って感じで(笑)
リアルタイムで観られてない方もいらっしゃると思いますが
是非、DVDでご覧になってみてください。
心を動かされるとても良い作品です。
そしてその素晴らしい作品を作った河野プロデューサーが新しく生み出した作品、
「泣くな、はらちゃん」もとても素晴らしい作品となっております。
主演はTOKIOのセンター(笑)長瀬智也、ヒロインは麻生久美子です。
ヒロイン(越前さん)はかまぼこ工場のパートとして日々暮らしています。
無口でおばちゃんパートにいびられても言い返さず黙々と仕事をこなして
日々の鬱屈をぐっとこらえて生きています。
そんな彼女のストレス発散の場所が、描きだす漫画の世界。
漫画の世界には、はらちゃんという主人公がいて
自分の思っていることを、酒を飲みながら大声で語らせるわけです。
(こんな風に)
「私はね 誰も傷つけたくないし干渉したりもしないんですよ」
「人はそれぞれ違うわけですからね そうでしょう?」
「だからね、私のこともほっておいて欲しいわけですよ」
「私は誰も攻撃しない 傷つけない」
「だから私にもそうそうして欲しい」
「私の望みは間違っていますか?」
ー間違ってない
「ありがとう」
「皆がそうやって生きていけばね、世界は平和だと思うんですよ」
ーまあまあまあ 飲んで飲んで
「でもね バカな奴が多すぎる」
「多すぎるんですよ」
「とくにうちの職場には」
ーまあまあ さ どうぞどうぞ
ーその通りだ
「私が許せないのはね」
ー殺すしかないね
ーどうしても自分を守りたいなら 敵は殺すしかない
ー…
「いや」
「そこまではっていうか」
ーそうだよねえ
ーそうは言ってもなかなかねえ
ーじゃあ 諦めな
ー諦めて文句言わずに生きてきな
ー生きてるだけでありがたいと思ってさ
「世界中の敵に降参さ
戦う意思はない
世界中の人の幸せを祈ります
世界の誰の邪魔もしません
静かにしてます
世界の中の小さな場所だけあればいい
おかしいですか 人はそれぞれ違うでしょ?
でしょ?
でしょ?
だからお願い
かかわらないで
そっとしといてくださいな
だからお願い
かかわらないで
そっとしといてくださいな
私のことはほっといて」
とまあ、こんな風に。
漫画の世界の中では長瀬くん演じるはらちゃんが毎日毎日、越前さんが
描き出す、同じ台詞を言い続けます。
(この、死ぬしかないね、まあまあ飲んで飲んでのくだりが延々続くのです、漫画の中で)
で、です。
このキャラクタたち、実は自我があるという「設定」になっておりまして
漫画の中の世界では、自由に自分の「言葉」を語ってるんですね。
そしていい加減、他の台詞も喋りたいなどと、仲間と語ったりするわけなんです。
マキヒロ(賀来賢人くん)は同意するだけで個性がない、と嘆いたり
あっくん(清水優)は生きてる意味が欲しいとか、笑いおじさん(甲本雅裕)は
自分には名前がない、と泣き出す始末。ユキ姉(奥貫薫)はたまには前向きな
言葉を言いたい…などなど。
そのわいわいのおしゃべりの中でユキ姉が、はらちゃんに「歌」には
「メロディー」があること、「ギター」の弦が6本であること
自分たちの世界を作っている「神々の世界」があることを教えます。
そして、今、自分たちの世界が暗いのは、自分たちの神様の機嫌が悪いからだろう…と。
「現実」と「漫画の世界」が なんと リンク してしまうんですねー!
よく考えたよねえ…!
そんな時、越前さんの漫画が弟(菅田将暉くん)によって捨てられてしまいます。
すると、はらちゃんの上から木枠が落ちてきてその中に入ると別世界の国への
破れ目が!
こうして、はらちゃんは漫画の世界から現実の世界に突如として現れます。
漫画の世界から出てきた、はらちゃんは
もちろん漫画の世界以外のことは何も知りません。
越前さんはギターに詳しくないので、弦が6本あることも知りません。
当然、はらちゃんもギターの弦は3本だと思っています。
居酒屋で愚痴るシーンしかないので、犬や猫、自動車についても
まったく知識がありません。酒のつまみも食べていないので
かまぼこの味も知りません。
そんなはらちゃんは、現実の世界で多くの新しいものに触れていちいち感動します。
覚えたら、すぐ言葉に出します。
すぐ行動にうつします。
その行動力たるや、幼稚園児そのものです。
大人になってから、こんなに素直に人に言葉を伝えたことがあっただろうか、と
ふと思いました。
そういう大人の心を揺すぶるドラマです。
はらちゃんは現実の世界でギターの弦が6本あること、メロディーがあることを
知ります。
越前さんが神様で、彼女の機嫌が良くなることが自分たちの世界を変えると
信じています。
まっすぐ越前さんに向かっていくはらちゃんの姿は
今の人たちにとても必要なことなのではないかなって思います。
タイトルの「泣くな、はらちゃん」は長瀬くんが現実の世界で
出会ったものに感動して涙を流すシーンです。
一つ一つの物事に心を傾ける。
それって、自分はできてるかな?って思いました。
はらちゃんのように無垢でいられるようになりたいと思いました。
大事なことを思い出します。
本当におすすめの作品です。
Q10も未来の世界からやってきたロボットなのですが
こちらも大事なことをたくさんたくさん思い出す作品なので
是非観ていただきたいです。
前田敦子ちゃんのロボットの演技が最高なのです。
彼女の最高の作品であると思ってます。
同じプロデューサーが生み出す二つの作品、皆に観てもらいたい作品です。
どちらにも薬師丸ひろ子さんと白石加代子さんが出てらして、
良い味をつけてくれています。
地味な作品ほど仕上がりがよかったりするんですよ。
土9をなめてはいけません。
毎週はらちゃんを応援してあげてください。
今後、はらちゃんは神様である越前さんのために奮闘し始めるのですが
これまた、ドストレートで素晴らしいので、世の中の男子は
見習って欲しいです。長瀬くんの素直な演技、麻生さんの繊細な演技
薬師丸さんの飄々とした演技、観ていて心地がよいし
毎回ほんわりした気持ちになれること間違いなしです!