この作品は山田風太郎原作「甲賀忍法帖」なのですが
最近(といっても結構前)やっていた「バジリスク」というアニメに近いらしいです。
この時点で既に、バジリスクの方がクオリティが高いと思いますが。
それはおいておきましょう。
出演者は結構有名とか有名じゃないとかバラバラな気がしました。
有名どころでいうと
主役二人
オダギリジョー
仲間由紀絵
忍者仲間たちでは
黒谷友香
椎名桔平
沢尻えりか
こんなところでしょうか。
柳生十兵衛
とか
服部半蔵役の人も有名な人でした。
名前出てきませんけど。
この物語は徳川家康が太平の世を築いたため
殺ししかできない忍のものが邪魔になり、
いがみ合っている甲賀忍者と鍔隠れ忍者を
殺し合いさせて、里もろとも滅ぼしてしまおうという
陰謀のお話です。
そしてその徳川の陰謀にまんまとひっかかって(半強制的に)
殺し合いをする忍者をオダジョーと仲間由紀絵が演じるわけです。
オダジョーは甲賀の頭領の孫で
仲間由紀絵は鍔隠れの頭領の孫。
つまりはロミオとジュリエット。
そして二人は殺し合いをするという感じ。
まあ内容は実はこれだけなんですね。
そして、一応戦いのシーンでワイヤーアクションぽいのも
あるんですがあっけなく仲間がばさばさ死んでいきます。
5人VS5人なのですが
そのうち3人はあっけなく死にます。
残る二人は主役と椎名桔平と黒谷友香
この映画の欠点は内容が薄すぎることですかね。
恋人という二人の主役は圧倒的に絡みが少なく
むしろどこで恋してるのか不明っていうか
何が好きなわけ?とかどうして二人は愛し合ってるわけ?
とかそういう次元なのです。
一応抱き合うシーンは何度かありますけど
オダジョーのそっけなさとか
仲間由紀絵の恋してない顔とか
まあそんなものがありまして
全然恋愛って雰囲気が出ていません。
むしろ黒谷さんの悲痛な表情の方が恋愛を語っています。
もう一つは仲間の忍についての説明が少なすぎること。
椎名桔平は300年も死ねないで生き続けている忍で
もう死にたいと思ってるわけです。何度殺されても蘇生されて
しまう自分の体が厭わしいわけです。
そんな苦痛に耐えつつ、不気味な忍を演じているわけです。
その悲痛な気持ちとか、あーだったこーだったという
エピソードが微塵もないため、どうしてそこまで
彼が死にたいのかが明確にならず、わざと切られたり
して死のうとしている理由が見ているものにさっぱりわかりません。
また、黒谷友香演じる陽炎も同じです。
陽炎は小さいころから毒を飲まされて育ってきて
体液が毒なのです。
故に好きな男と交わることも、口付けすることもできないのです。
愛する甲賀弦之助はそばにいるというのに
口を吸ってしまったら相手を殺すことになるのです。
忍の仕事で幾度も男と寝るわけですが
朝起きれば相手は死体になっているのです。
そんな辛い思いを何年も重ねてきているのに
そのエピソードはこれぽっちもなく
自分の愛する男が憎き鍔隠れの娘と知ったときの
彼女の絶望した気持ちが全然伝わらなかったように思います。
一つ一つのキャラの設定はとてもよいと思いますが
説明が一切ないので何がなんだかわからないまま
物語が終わってしまう印象が強かったですね。
沢尻えりかのやっている蛍火のエピソードもあれば
彼女が身を挺して朧(仲間由紀絵)を守るシーンできっとないた人も増えたのではないでしょうか。
評価するとすれば、最後、朧が徳川家康に会うシーンで
目を潰したところですかね。あれには感動しました。
そこまでしても守りたいという気持ちがよく出ていたと思います。
破幻の瞳という言葉に苦痛の色さえ浮かべた仲間由紀絵の演技は
なかなかよかったですね。
つか、この作品にむしろオダギリジョーは必要だったのか???
ってなことを問いたいくらいオダギリジョーは何もしていないと
思うのですが??
彼は作品をどういう基準で選んでいるかわかりませんが
主役としてあまりやることがなかったのではないかと思います。
だって彼、
川で黙ってるか、仲間由紀絵を抱きしめるか
怒って出て行くか「俺は戦わない」というか
死ぬか
この5パターンくらいしかやってないんですもの。
こんな簡単な言葉で言い尽くせるだなんて
なかなか可哀想です。
冒頭いったように
だからバジリスクの方がクオリティー高いんじゃ?って話です。
チャンツィーが出ている中国大河ものの映画とか
同じ2時間使ってまったくクオリティーの違うもの作っているじゃありませんか。
他国を見習ってもう少しマシなストーリーを作ってもらいたいですね。
だいたい忍者の殺し合いだけで
映画作ってもつまんないですから。
「関が原の戦い」とかそういうでかいテーマでもないのにね。
5VS5ですよ??
むしろ、あずみの方がまだストーリーがあったと思います。